定期的な点検と交換の重要性
配送現場において軍手は毎日使う作業道具であり、消耗品でもあります。使い続けるうちに滑り止めの効果が薄れたり、生地が破れたりしてくるため、定期的な点検と交換が必須です。軍手が劣化したまま使用されると、作業効率の低下だけでなく、荷物の滑落やケガといったリスクにも直結します。見た目では判断しづらい劣化もあるため、毎日の使用前チェックと定期交換をセットで考える必要があります。
劣化のサインとしては以下のような状態が挙げられます。
指先に穴が空いている 摩耗による破れで保護効果が失われており、すぐに廃棄して新品と交換する必要がある。
滑り止めが剥がれている ゴム粒やプリントが脱落するとグリップ力が低下し、滑り止めが必要な作業には使用できない状態となる。
手首ゴムが緩んでいる 手袋がズレやすくなり、作業中の集中力低下や異物混入のリスクが高まるため、装着感が悪くなった時点で交換する。
生地が薄くなってきた 擦れや洗濯による繊維の劣化で強度が低下し、薄さを感じたら交換のタイミングと判断する。
汚れや臭いが取れない状態 洗っても臭いや黒ずみが残る場合は清潔感が損なわれており、衛生面を考慮して廃棄するのが望ましい。
上記の症状が一つでも現れた場合は、使用を中止し速やかに新しい軍手に取り替えることが大切です。交換を怠ると滑りやすい荷物を取り落としたり、指先の保護が不十分となるなど、重大な事故の原因にもなり得ます。
また、交換の目安として「使用日数や頻度」によるルールを設定するのも有効です。
毎日8時間の連続使用 推奨交換頻度は1週間から10日毎。摩耗が早いため早めの交換が推奨される。
短時間の軽作業中心 推奨交換頻度は2週間から3週間毎。指先や滑り止めの状態を都度確認しながら判断する。
交代制でローテーション使用 推奨交換頻度は1ヶ月から1.5ヶ月毎。衛生面を考慮して月1交換が理想とされる。
汚れや破れが目立つ場合 推奨交換頻度は即時交換。目視で劣化がわかる状態は即交換が必要。
このように、軍手は「使い捨てる感覚」ではなく、「劣化する道具」として認識し、点検と交換のサイクルを業務の一部として定着させることが重要です。配送の現場では、作業スピードが問われる場面も多く、事故を未然に防ぐためにも常に最良のコンディションで軍手を使用する習慣をつけることが、プロの現場対応として求められます。
洗濯・保管のポイン
軍手を長持ちさせるためには、適切な洗濯と保管の習慣を身につけることが欠かせません。日々の使用後に正しく洗い、乾かし、衛生的な状態で保管することで、グリップ性能やフィット感を維持し、衛生面でも安心して使用を継続できます。
まず前提として、軍手が「洗濯可能かどうか」を確認しましょう。中には洗濯に向かない素材(合成ゴム全面コートタイプや接着型滑り止め付きタイプ)もあり、無理に洗濯することでグリップ力を損なう恐れがあります。
綿・ポリエステル混紡 洗濯可能で、繊維が水に強く乾きやすい。洗濯ネットを使用して形崩れを防ぐのが望ましい。
PUコーティング手袋 条件付きで洗濯可能。熱に弱いため乾燥機は避け、陰干しや手洗いで丁寧に扱う。
全面ゴムコート手袋 洗濯不可。洗うことでコーティングが劣化し、ひび割れの原因になるため、水拭きで軽く汚れを落とすにとどめる。
シリコンプリントタイプ 条件付きで洗濯可能。柄の部分が摩耗する可能性があるため、低温で手洗いするのが適している。
洗濯可能な軍手は、必ずネットに入れて中性洗剤を使用し、乾燥は直射日光を避けた陰干しが理想です。高温の乾燥機やアイロンは、伸縮素材や滑り止め加工を傷める原因になるため避けてください。
続いて保管方法ですが、使用後の軍手は湿気やホコリを避けた清潔な場所での保管が必要です。
軍手保管の基本ポイント
- 洗濯後は完全に乾かしてから保管する
- 湿気の多い場所はカビ・雑菌繁殖の原因になる
- 直射日光や高温環境は素材劣化のリスクがある
- 使用中の軍手と未使用の軍手は区別して保管する
- 使用済軍手は通気性の良いメッシュ袋などで保管すると蒸れを防げる
また、複数枚をローテーションで使い回すことで、1枚あたりの使用負担を軽減し、結果的に寿命を延ばすことができます。洗濯・乾燥のサイクルに余裕を持たせるためにも、最低3〜5双を持っておくと安心です。
このように、軍手の「使いっぱなし」を避け、洗濯と保管にまで気を配ることは、配送業務を安全かつ衛生的に進めるうえで欠かせない日常管理のひとつです。品質の劣化を防ぎながら快適に使い続けるためには、日常的なメンテナンスの意識が求められます。