物品台帳を作り移転対象を分類する
最初に行いたいのは、移転対象の洗い出しです。部屋ごとに物品名、数量、寸法、重量、取り扱い条件、新施設での配置場所を記録した「物品台帳」を作成します。現場調査だけで把握しにくい小物や保管品は、各部門の担当者にも確認しましょう。
移転する物、別の場所へ送る物、新たに用意する物、そして「処分を検討する物」に分けると、運搬量を正確に見積もれます。ここで注意したいのが、クリニックから出る不用品(古い什器や医療機器など)の扱いです。一般ゴミとして処理できないものが多いため、廃棄や引き取りの手配まで運送業者に任せられるか、事前に確認を取ることが大事です。
台帳には管理番号を付け、段ボールや機器のラベルと対応させます。「受付」「診察室」「処置室」など、搬入先が誰でも分かる表記にするのがコツです。なお、カルテの入った箱などに個人名や患者情報をラベルへ直接書く必要はありません。不要な情報が表に出ない安全なルールを作ることが重要です。
旧施設と新施設の搬出入経路を調べる
運送業者による現地確認では、出入口の幅、廊下や階段の曲がり、エレベーターの寸法、床の段差、車両を停める位置などをチェックします。図面上では通れるように見えても、扉の開き方や手すり、天井の高さが搬送を妨げる場合があります。
特にクリニックの場合、大型の医療什器や精密機器は、厳重に梱包した後に外形がひと回り大きくなることも考慮しなければなりません。自院の特殊な機器が問題なく搬出入できる経路か、医療機関の移転ノウハウを持つ業者と一緒に現地確認を行い、あらかじめすり合わせておくことが重要です。
| 確認場所
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確認内容
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計画への反映
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| 出入口
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有効幅、高さ、段差
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分解や別経路の要否
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| 共用部
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使用条件、養生範囲
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作業時間と資材量(養生にかかる時間)
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| エレベーター
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かご寸法、積載条件
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搬送可能な荷姿(立てて運べるかなど)
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| 車両位置
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建物までの距離と通路
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車両構成と人員配置
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| 新施設の各室
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入口寸法と設置余地
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搬入順序と仮置き場所
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搬入日の新施設にクリニック側の作業責任者を置き、配置変更などの判断を一本化しておくと、現場での業者の待ち時間を減らし、スムーズに作業が進みます。
梱包とラベルのルールを統一する
梱包方法が部門ごとに違うと、積み込み時の確認や搬入後の仕分けに時間がかかってしまいます。箱には「管理番号」「搬出元」「搬入先」「内容の区分」「取り扱い上の注意」を同じ位置へ表示するよう統一しましょう。
壊れやすい備品は箱の内部で動かないように固定し、液体や衛生用品は、万が一の漏れや汚れがほかの荷物へ広がらないよう厳重に区分します。情報機器の配線は接続先が分かるように表示し、機器本体と付属品を同じ管理番号で揃えます。
また、重要書類(カルテ等)や薬品類の梱包・運搬は特に注意が必要です。これらは情報漏洩や紛失のリスクがあるため、運送業者に運搬を任せてよい範囲と、クリニックのスタッフが自ら運ぶべき範囲を事前に相談して決めておくことがトラブル防止に繋がります。運送業者に任せる書類の箱は、ふたが開かないよう厳重に封印し、箱数を受け渡し記録としっかり照合しましょう。
関係者が同じ工程表を共有する
クリニック移転のような法人案件では、運送業者だけで工程を確定させることはできません。クリニック側の責任者、内装担当、医療機器の取り外し担当、通信環境の担当など、前後工程に関わる複数の担当者を整理する必要があります。
工程表には、作業内容、開始条件、担当、完了確認の方法を記載します。「診療終了後にしか着手できない作業」「搬入前に完了していなければならない作業」「再開前に確認すべき作業」を分けると、作業同士のつながりが見えてきます。